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体力も精神力も弱かった昔
私は体が弱かっただけでなく、精神的に弱かったこともあったからだと思うが、中学校、高校といわゆる部活なるものには、文系の英語部(と言っても英語の物語をみんなで読む程度で英会話系ではない)とタイプ部に入って少々活動していた以外は、普通に言う青春を謳歌するようなところには所属しなかった。だから、私にはあの時代、楽しかった青春や学生生活などと呼べるものはなかった気がする。後はひたすら勉強していたか、風邪をひいたり、自家中毒などという小さい子がなるような病気になって、学校を欠席したりしていた。高校の時に一度、卓球部に入ってなんとたったの二、三日練習に参加しただけで、これは一生の恥だけど、練習がきついと感じてやめたこともあった。
つまり、なんというかだらしがない、ひ弱な私だったなあと思う。その痛烈な反省が心の中でずっとくすぶっていた。大学に入った時、授業のほかに何かやらなくちゃという気持ちが起こって(通学には片道二時間かかるのだったけれど)、最初はクラスで友達になった人の誘いで、何故そんな選択をしたかわからないが、華道部に入り、新入生コンパでハイキングに行ったり、ちょっとの間、活動に参加した。ところが、心の中に欲求不満みたいなものがたまり始めた。活動の不活発さに我慢が出来なくなってきたのだ。体育会系という文字が頭に浮かんだ。ただ、鍛えていない体や技術面で、バスケットやバレーやテニス部などといったものは無理だろうという判断をした。そこで、立ち止まってやれる、なんていう少々甘い考えで、ちょうど、フレッシュマンウィークということで、学内でビラを配って新入生を勧誘していた弓道部の門をたたくことにした。入ったその日、先輩の4年生の男の人が、私と一緒に、入部希望で来た別の人とを、その辺を走るぞ、とマラソンに誘ってくれた。体に自信がない私はちょっとひるんだし、走るのは苦しかったが、終わった後、大学を出て帰途に着いたときに何とも言えない爽快感を味わった。本当になんて気持ちが良いのだろうと思った。一年生は朝早くに道場に行って掃除をする義務があった。毎日、通学に時間がかかるから夜明け前に電車に乗ったことも数えきれない。結局同期の友人で、大学を卒業するまで苦楽を共にしたのは、男2人、女5人。その女性の同期とは今でも交流が続いている。そりゃ、毎日の練習やトレーニング、長い合宿、日本古来のスポーツとしての礼儀や作法等々、苦しくて嫌で何度かやめようと思ったことは事実。それでも、そのたびに、先輩や同期に励まされ、何とか4年間つとめた。そして、今考えると、その4年間で、それ以前の弱かった体躯や精神が知らず知らず鍛えられ、それだけではなく一生絆が続きそうな、先輩や同期の人たちとのつながりができ、それが今でも私の人生を励ますものになっている。あの時、経験のない、いわゆる運動部(弓道部)に入ることを決心させてくれた、何か大きいものの力に感謝するばかりなのだ。私があの4年間で得たものはあまりにも大きい。
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